kojiasanoのブログ

株式会社リンクアンドモチベーションで執行役員として組織人事コンサルティング事業、投資事業を担当している麻野耕司のブログです。

2015年 投資事業 振り返り

2015年を投資事業についても振り返りたいと思います。

社外からはご注目頂くことが多いですが、社内からはあまり理解されてないことも多いので、社内向けの意図も込めて、どういう方針で取り組んでいるのかから書きたいと思います。

モチベーションエンジニアリングで世界を変えるためのアプローチはいくつかありますが、そのうちの一つが「モデルケース」を創ることだと思っています。

例えば、Googleがある組織施策を変えれば世界中の企業の組織施策が変わるわけです。そういった「モデルケース」を、投資後のハンズオンのサポートで一緒に創っていくのが投資事業です。

「モデルケース」を創るためには中長期的な目線で取り組む必要があると考えており、基本的にはM&AによるEXITではなく、IPOを目指す企業様と、上場後も一定の株式を保有してサポートし続けることをポリシーとしています。

2013年11月からスタートした新規事業ですが、素晴らしい投資先の企業様との出会い、新参者の私に知恵を授けて下さるVCの先輩方の教えにより、順調に進捗してきたと感じています。

私はリンクアンドモチベーションの投資事業の責任者と紹介されることも多いですが、実は責任者はリンクアンドモチベーション取締役で管理部門担当の大野です。

私は起案者であり、立ち上げメンバーではありますが、投資前のソーシングや投資後のサポートを担当しており、最終的なジャッジメントは会長の小笹と大野により、デューデリジェンスやタームシートなどは管理部門スタッフにより行われます。私が担当している会社が半分以上ですが、小笹や大野に直接持ち込まれて投資に至る案件もあります。(これはよく驚かれるのですが、私も含めて投資事業には専任メンバーがいません。)

ちなみに投資事業における私の肩書きは「インキュベーション推進室 マネージングディレクター」です。これは投資事業を立ち上げる時に、金融っぽい横文字の肩書きをつけてみたいとノリでつけたもので、未だに何をするのかは定まっていません(笑)

今年は私がソーシングを担当したのは、リーディングマーク、schoo、ラクスル、リノベる、PLAN-B、LiBになります。今年も本当に良い出会いに恵まれたな、と感じています。本来であれば私から色々なことをお伝えすべきですが、学ばせて頂くことの方がむしろ多かったです。

またアーリーステージで投資をさせてもらったフロムスクラッチがシリーズA、シリーズBでBtoBエンタープライズ領域としてはトップクラスの10億円の調達、FiNCがANAをはじめとした一部上場企業複数社からの大型調達と注目を集めました。

B/Sからの出資になりますので、資金は限られており、下半期以降はかなり抑えているのが現状です。完全に門戸を閉ざしているわけでは決してありませんが、今は投資先をどうサポートするか、について確固たるメソッドを構築することに軸足を置く時期だと思っています。

拙著「すべての組織は変えられる」にも書きましたが、ITインターネット業界はどんな組織を創れたかで勝敗が決する時代になってきました。

投資事業におけるベンチマークシリコンバレーのVC、アンドリーセン・ホロウィッツです。Facebook、twitter、Airbnbなどに投資している言わずと知れたトップランナーですが、投資後の支援、特にリクルーティングやチームビルディングなどの組織面の支援にかなり力を入れていると聞きます。

コンサルティングも投資も、とかく個人事業主のようになりやすいですが、組織としての確固たるノウハウやメソッドを構築し、業界にインパクトを与えられる事業を育みたいと思います。

※拙著「すべての組織は変えられる 〜好調な企業はなぜ『ヒト』に投資するのか〜」好評発売中です。

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